アメリカの大学の入学審査(アドミッション)は、基本的に書類審査です。本人が提出するアプリケーション・フォーム等に加えて、ハイスクールのカウンセラーから提出される本人の成績表や、クラスを履修している先生から提出される推薦状などの追加書類により、合否の判断が行われます。
書類審査とは言っても、その書類はオンラインで提出される場合がほとんどです。個々の大学が独自のアプリケーション・フォームを用意している場合もありますが、近年は複数の大学で共通で利用できるアプリケーション・サービスを採用する大学が大半を占めています。
アプリケーション・フォーム
本人が提出するアプリケーション・フォームには、個人・家族の情報、学校の成績、テストスコア、課外活動の履歴、エッセイなどが含まれます。共通アプリケーションに入力した基本情報は、そのシステムを通じてアプライするすべての大学に、同じ情報を提出することになります。入学審査においてもっとも重要なパーソナル・エッセイについても、アプライする各大学に同じエッセイを提出できます。
ただし、すべての大学に共通で提出するフォームに加えて、大学毎に個別に提出するフォームもあります。希望する専攻は何か、テストスコアを提出するか、奨学金を希望するかなど、それぞれの大学が知りたいことを記入させます。個別フォームで、追加のエッセイを要求する大学も少なくありません。
追加書類の提出
提出する追加書類の内容は、各大学により多少異なります。Pomona Collegeの例を示します。
- ACT/SAT: Optional
- スクールレポート: Required
- カウンセラー推薦書: Required
- 推薦状(教員): 2 Required, 0 Optional
- 推薦状(その他): 0 Required, 1 Optional
スクールレポートには、生徒本人の成績に加えて、ハイスクールの紹介などが含まれます。推薦状(教員)は、主要教科の先生に書いてもらうのが一般的です。2通用意すれば、すべての大学に対応可能です。音楽や体育、部活動の先生にも書いてもらう場合は、推薦状(その他)の方に加えます。
推薦状を書く先生は、同じ推薦状をすべての大学にオンラインで提出できます。アプライする大学が増えても、先生の負担が大きくなるわけではありません。

共通アプリケーションの種類と選び方
共通アプリケーション・システムで、最も多くの大学に採用されているサービスがCommon App(コモン・アプリケーション)です。アメリカの大学だけで、千校以上が採用しています。2024-25年度は、約123万人の学生が、Common Appを利用してアプリケーションを提出しました。
Common Appの次に多くの大学が採用しているシステムが、Coalitionです。Coalitionは、学生の卒業率や低所得ファミリーへの経済的支援など、大学が一定の条件を満たさないと加盟できないこともあり、大学数はCommon Appよりもかなり少ないですが、名門大学の多くが採用しています。
複数のアプリケーション・システムを採用する大学も、少なくありません。どのシステムを選んでも結果に違いはありませんが、採用大学数が最も多いCommon Appを最初に選ぶのが、一般的です。Common Appでは、最大20校までアプライできます。もし、20校を超えてアプライしたい場合は、Coalitionなど他のアプリケーションシステムと組み合わせることになります。
